何もない田舎道を車を走らせる女性。助手席には大きなトラベルバッグ。そうして、ガソリンスタンドに立ち寄った女性。そこに現れたのは、こわもての中高年のおじさん。ガソリンを入れて、車のドアすべてにロックをかけた女性。ところが、おじさんが窓に近寄って、どんどんどんと窓をたたく。え、なにこれ。
　おじさんは「不審者、不審者」と叫んでいる。そうして「ナイフ持ってんじゃないか、刃物持ってんじゃないか」と怒鳴る。女性は助手席に置いてある大きなトラベルバッグにナイフか刃物を持ってるんじゃないかと疑われたと思った。しかもおじさんはスマホを出して、操作している。え、これって警察に通報しているってこと？女性は憤慨して、ガソリンスタンドをあとに。
　後ろから「不審者」と大声で呼んでくるおじさん。最後に「後ろを見ろ」って言い捨てるおじさん。
　おじさんを振り払ったものの、憤りがさめない様子の女性。

　でもちょっと待って。女性はおじさんの最後のセリフを、おじさんが自分を見ろという意味にとった。


　でも、後ろを見ろっていうのは、もっと別の意味だったんじゃないかなあ。
　

　そう、女性の後部座席にナイフ持ってんじゃないか、刃物持ってんじゃないか、という不審者が乗っていたのだ。
　おじさんはガソリンを入れ終わった後に不審者に気付き、女性に伝えようとしたのだ。
　そう、おじさんは女性を不審者、ナイフ持ってんじゃないか、刃物持ってんじゃないか、と言ったのではない。女性の後部座席にいる不審者のことを言っていたのだ。


　車を走らせながら、後ろを見る女性。一体この女性の末路は・・・・・・。おじさんの言うことを別に解釈していれば・・・・・・。