追いかけ鬼は吹っ飛んで、光も吹っ飛んだ――。
 みんなが光と叫ぶ声が聞こえる。

 でも、まだ!
 まだ、これから二匹を仕留めなきゃいけない!
 弱った二匹を最後に……。

 でも……。

 光と影の爆破ダメージからは、ステッキが守ってくれたようだった。
 でも吹っ飛ばされた衝撃で頭がクラクラして、光はスローモーションのように感じた。

 このままドカン! と地面に叩きつけられるのかな……と思ったが、ふわりと抱きとめられる。

「……?」

 目をつむって、歯を食いしばっていた光はゆっくり目を開ける。

「よく頑張ったね光」

「麻那人……!」

 悪魔王子の姿になった麻那人が、吹っ飛ばされた光を空でキャッチしてくれたのだった。

 ふわっとお姫様抱っこで、麻那人は地面に着地した。

 麻那人を見て、緊張が一気にほぐれていく。
 涙が出そうになるけれど、まだ……まだ終わってない。

「とどめをささなきゃ……!」

「うん」

 追いかけ鬼二体は、重なるようにボロボロの姿になって転がっていた。
 ピクリとも動かない。