「私を追いかけてきなよ!」

 光はそのままドアを出て、校庭に向かって全力疾走だ!

『までぇええ!』『までぇええ!!』

 二匹ともドアを開けた四人を無視して光を追いかける!

「「「「光!!」」」」

 真っ暗な校庭だ。
 光の後ろを追いかけ鬼二匹が猛スピードでやってくる。
 光の矢はどちらかにしか狙えない。
 もしくは、外してそのまま食いちぎられるか――!!

 真っ暗な夜。
 光は走る!
 光は走る!!

 そして校庭の真ん中で、息を切らせながら光は走るのをやめた。

 『ぎゃははははは!』
 『いただきまぁああああああす』

 光が疲れ果てて、諦めたと思ったんだろう。
 二匹の追いかけ鬼は大喜びで口を開ける。

「いただかれないよっ!!」

 光は右のポケットから天使の加護の紋章バッジを五人分取り出し、左のポケットから悪魔のバッジを五人分取り出した。
 それを口を開けた追いかけ鬼の前に放り出す。

「サンダーアロー!!!」

 天使と悪魔のバッジが十個、宙に舞う。そこに一気にサンダーアローを落とした。
 精一杯、最大の、力と祈りを込めた。

 これでもう終わりだったら……そんな事は考えない!

 絶対うまくいく!

 光と影の力が混ざり合い、反発して、そして爆発した――!!
 
 カメラのフラッシュの何倍も何倍もの光。
 そして突き刺さる衝撃。