体育館に飛び込んできた、みんな。
二体の追いかけ鬼を見て、光は混乱する。
「追いかけ鬼が二体!?」
「光! やっつけて!」
体育館に飛び込んできたラーが、光に叫ぶ。
体育館の真ん中で待っていた光は、ステッキを空に向けてまずは一匹の追いかけ鬼へ向けた。
「悪の化身よ! 散れ! サンダァアアアア! アロー!!!」
ラーを助けた時と同じように、マジカルフェンリーの呪文でサンダーアローを放った!
「あぁ!? 速い!!」
しかし大きさが小さくなった分、素早くなった追いかけ鬼はその攻撃をすり抜けた。
広い体育館のなかで入ってきた四人は、それぞれバラバラに逃げ回る。
「きゃああ! いやぁ!」
二つに分離した追いかけ鬼を見て、ルルがリィに手を引かれながら泣いてしまう。
みんなも少なからず恐怖した。
その子どもの恐怖心を、追いかけ鬼は吸い込んでいく。



