『ぎやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁl!』

 バシャ! バシャ! バシャ!!

 ラーの愛用のカメラにも魔法陣が書かれていた。
 
 これは光が麻那人に言われて書いたもの。
 光強化の天使の魔法陣だ。

「あんたなんか滅びて!」

 ラーがフラッシュを浴びさせるたびに、追いかけ鬼は溶け出していく。
 これでもう、追いかけ鬼を十分に弱らせる事ができたか!

「ま、まだステイ! ラーちゃん行こう!」

「うん!」

 二人で手を繋いで走り出す。
 待っていたリィと空太とも合流して、最終地点へと向かった。

 しかしそこで、追いかけ鬼が大きく叫んだ。

 『もう許さんぞぉ!! ガキども!!』

 それはザボの心の声なのかもしれない。
 なんと追いかけ鬼の顔面が裂けた。
 分裂したのだ。
 小さくなって1つ目顔の鬼が二体!

 二体になった追いかけ鬼は、大きな口を開けて四人を追いかけた!
 
 小さくなった分、スピードが増している!
 
「げぇ! まじかよ!」

 空太が階段を降りる前に振り返って、驚いた。
 慌てて階段を飛び降りながら急ぐ。
 
「みんな急いで!」

 リィがルルの手を引っ張る。

『みんな、頑張って!!』

 みんなのバッジから光の声がする。
 追いかけ鬼を仕留めるのは光だ……!!

 四人が肝だめしで通った廊下を走る!

 誰かが落ちていた追いかけ鬼の模型を蹴り飛ばした。

「みんな……頑張って……!」

 体育館で待つ光は、おじいちゃんのステッキを握りしめていた。
 麻那人との会話を思い出す……。