追いかけ鬼の前に、空太が立ちはだかった!
 魔法陣で強化されたサッカーボールは、紅く黒い炎をまとったように輝いている。

 スライムに絡みつかれた追いかけ鬼が、牙を剥く。

 しかし空太はフン! とこっちも睨みつけリフティング!

 そしてサッカーボールを豪快に蹴り上げた!

「ハイパー! ミラクルボンバーッ空太シューッ!! ダイレクトッアタック!!」

 爆発威力のサッカーボールが、追いかけ鬼の右目にぶち当たった。

『うぎゃあああ!!』

 サッカーボールの魔法陣がボォ! と燃え上がり追いかけ鬼を火だるまにする!
 
「落ちろ!」

 更に、二個目のボールで二回目のシュート!

 追撃を受けて、追いかけ鬼は階段を転がり落ちていく。

 ふぅ! と空太は緊張から湧き出た額の汗を拭う。

『空太! 技の名前がださい!』

「な! なんだよ!」

 必殺技のダサさで、女子達のツッコミが入ったのだった!

『ぐごがあおぁああぐがああああああああ!』 
 
 追いかけ鬼は四階の壁にぶち当たり、更に怒りで顔から湯気と怒鳴り声をあげた。
 追いかけ鬼との鬼ごっこはまだ続く!

『どべし! どば! どぶっぼ!』
 
 四階に転げ落ちてきた、追いかけ鬼。
 目を回しながら、キョロキョロと当たりを見回す。