◇◇◇
真っ暗な新月の夜……静けさが学校を包む。
明るい昼間に、子ども達が元気に勉強する学校とは、まるで違った姿だ。
いつもの教室が、ガランとして……なんだか不気味に見えてくる。
肝だめしで用意されたお化け達が、風もないのにユラユラと動いているように見える。
大人も子どももいない……誰もいないはずの校舎。
「追いかけられたら最後だよ♪
逃げて走ってどこまでも♪
追いつかれたら食べられる♪
骨も残さず食べられる♪
追いかけ鬼に見つかれば♪
最後死ぬまで追いかけらーれる♪」
麻那人の歌声。
百葉箱の横に立っているのは麻那人だ。
そして、かがんで百葉箱の下の部分の魔法陣を見つめた。
麻那人が手を伸ばすと、ビリリっと魔法陣は麻那人の指先を拒絶する。
それでも力任せに麻那人は手を突っ込むと、何かが弾けるような音がした。
かまわずに、魔法陣の真ん中のあった水晶を取り外した。
空気が一瞬で変わった。
ピシッと空気に、亀裂が走ったように光は感じた。
この暗闇のなかで、猛獣との間にあった柵がなくなってしまうような。
確かに結界がなくなったのだ。
……追いかけ鬼がくる……。
真っ暗な新月の夜……静けさが学校を包む。
明るい昼間に、子ども達が元気に勉強する学校とは、まるで違った姿だ。
いつもの教室が、ガランとして……なんだか不気味に見えてくる。
肝だめしで用意されたお化け達が、風もないのにユラユラと動いているように見える。
大人も子どももいない……誰もいないはずの校舎。
「追いかけられたら最後だよ♪
逃げて走ってどこまでも♪
追いつかれたら食べられる♪
骨も残さず食べられる♪
追いかけ鬼に見つかれば♪
最後死ぬまで追いかけらーれる♪」
麻那人の歌声。
百葉箱の横に立っているのは麻那人だ。
そして、かがんで百葉箱の下の部分の魔法陣を見つめた。
麻那人が手を伸ばすと、ビリリっと魔法陣は麻那人の指先を拒絶する。
それでも力任せに麻那人は手を突っ込むと、何かが弾けるような音がした。
かまわずに、魔法陣の真ん中のあった水晶を取り外した。
空気が一瞬で変わった。
ピシッと空気に、亀裂が走ったように光は感じた。
この暗闇のなかで、猛獣との間にあった柵がなくなってしまうような。
確かに結界がなくなったのだ。
……追いかけ鬼がくる……。



