そして麻那人が引いたくじで、麻那人は光とペアになったのだった。

「光っていっつも、麻那人君とペアだね!」

 みんなに、からかわれてしまう。
 
「ち、違うよ! 偶然だし今回だって偶然!」

「一緒でよかったね」

 麻那人はなんにも動じないように、サラッと言う。

 そんな麻那人を見て、女子のみんなは『外国で育ったから、きっと恥ずかしくなったりしないのよ。かっこいい』と思ったのだった。

 四年生から、肝だめしは進む。
 キャーキャーわーわー! みんなの叫び声が聞こえる。

 本当に怖くて苦手な子のために、先生と一緒で部屋を明るくしてみんなが作ったお化けの展示物を見回って帰ってくるコースも用意されたけど、それを選んだ子は誰もいなかった。

 そしていよいよ五年一組!
 ラーと空太が、言い合いをしながら体育館から出て暗闇の廊下へ消えていく。
 みんなで座って、順番を待った。
 
「魔術クラブのみんなは肝だめし大丈夫かなぁ」

「これからもっと怖いことが起きるかもしれないからね……」

「ひぃいいいい!」「うわぁあああ!!」

 ラーと空太ががっちり手を握り、叫びながら走って体育館に戻ってきたのだった。
 
 二人で戻ってきても、ギャアギャアと喚いている。
 四年生の時よりも、かなりレベルアップしていたらしい。

「二人とも……作戦、大丈夫かな……」

「あはは、まぁ大丈夫でしょ」
 
 光はこれからの作戦が、ちょっと不安になってしまう。
 麻那人はただ笑ってる。
 
「ひ、光ーー! 怖かったわぁ!」

 ラーが抱きついてきた。
 
「光! お、俺は演技だよ! 演技ぃ!」

 空太が言い訳をするが、実は小さい頃からお化けが苦手なのは知っていた。
 魔術クラブに入るなんて言うから、平気になったとばかり思っていたけど……。