「大丈夫なのに」

「まぁいいから行くぞ」

 ぶっきらぼうに空太が歩き出す。

「良かったね、光」

 麻那人が言った。

「うん……? そうだね、ありがと空太」

「べっ別に」

 ふふっと笑って、少し後ろから二人を見る麻那人。
 
「人間の優しさって素晴らしいね」

 ◇◇◇