「見つからないな」
末広は廊下でそう言った。光は近くの教室にもいない。廊下にも、トイレにも、階段にもだ。すでに思い当たる場所は探した。だが、見たからないのだ。
「うんもしかして学校出ちゃったのかな」
「それだったらまずいな。車に轢かれてないか心配だ」
「ちょっと門の人に聞いてみたらどう?」
凛子が提案する。学校の門の前にはいつも門番のおじさんがいるのだ。その人に聞けばわかるかもしれない。少なくとも今学校にいるのかどうかは。
「それはいい考えだな」
そして二人は出口に向かう。
「すみません、誰が門から出ませんでしたか?」
「え、ええ一人制止を振り切って行っちゃった子がいるんですよ」
ビンゴだ。
今は学校には居ないらしい。
「どんな様子でした?」
「なんかぶつぶつとつぶやきながら歩いてました」
「それだ」
「それだ」
二人は声を合わせて言う。これでもう光確定だ。
「誰かわかりますか? すでに誰かが出たというのは教師陣に伝えたのですが」
「二年八組四番神代光です」
「わかりました」
「お待たせしました」
そして教師の山本霧江がやってきた。



