それから、平日のあたしはたいへん頑張った。自分なりに“ 普通 ”の恋愛をなぞった。
灰慈くんへの気持ちはお腹の中に溜まるばかり。吐き出せないかわりに、ノートに書きしたためることで何とか消化させていた。
ママとお兄ちゃんには心配された。パパがドライブに誘ってくれた。大丈夫と聞かれて、大丈夫としかいえなかった。
ノートの上で仲良く並べられた想いをみた。今日も言えなかった。
愛はいつだって不等分だ。天秤はどちらか一方に傾いている。それでもわたしは与えたいと思ってしまう。わたしの方に傾くのはいつなのか。この天秤は傾くものなのか。
やがてカレンダーは予定を告げた。以前「何でも言う事聞くんだろ?」と言われて立てた予定だった。
灰慈くんとのお出かけはわたしにとってご褒美で、とびきりオシャレをして出掛けた。
買い物の付き合いだろうと、特別な日だ。
待ち合わせてすぐ、灰慈くんが「可愛い」と言ってくれたから、「好き」が転げ落ちてしまいそうになった。我慢したわたしはとてもえらい。
白いTシャツと黒っぽいカーゴパンツという、シンプルな服装の灰慈くん。アクセサリーはシルバーでまとめられていて、無駄のないオシャレが良く似合っている。



