「とりあえず、ふみは男を知ろう」
Q1 、普通の恋愛とは。
このアンサーが、どうして男を知ることに直結するのかわたしには分からない。机の上のノートに書き綴られた暗号文よりも難解だ。
「灰慈くんを知ってる」
「灰慈くん以外に」
「お兄ちゃんたちと、天くんと流くんも、青葉くんも知ってる」
個人的に沢山異性の名前を話したつもりなのに、りるちゃんは納得してくれなかったらしく、やれやれ、と呆れ顔だ。
「よし、合コン行こ」
Q2、なぜ合コンなんですか。
合コンなんか行くはずがない。たぶん、それくらいりるちゃんだって分かってる。
「灰慈くんと結婚するからむり」
くちびるを真一文字に結んでノーをアピールする。
「ねえ、ふみ。恋愛を知らないまま結婚なんかしたら、灰慈くんが困るんじゃないの?」
しかし、りるちゃんはわたしの頑固な心を解すように魔法の言葉を唱えるので、ノートに走らせていたペンが止まった。



