「どうしたの、おふみ。灰慈くんから返事でも来た?」
そんなわたしに話しかけるのは友人の有村りるちゃんだ。先程、聞き役として彼氏の浮気疑惑にぴしゃりと追求していたのも彼女だ。りるちゃんのおかげで、先程の友人は「もう一回、問い詰めてみる!」と、決意を固めていた。一応、一件落着?だ。
「ううん、朝の灰慈くんを思い出してた」
りるちゃんはわたしのの片想いの件をよく知っている。わたしがマシンガンよろしく、灰慈くんのことをたくさんお喋りしたからだ。
「低コストすぎ。おふみはもうちょっと欲張りでいいと思うな」
「欲張りだよ?」
だって、灰慈くんと両思いになりたいんだもん。コスパ悪すぎるし、すごく傲慢だ。
「でもそれにしたって、おふみは普通の恋愛ってのをした方がいいと思うな」
いつもならば、『そっか、そうだったね〜』と、流してくれるりるちゃんが、本日はなかなか引き下がらない。
怒った顔のりるちゃんは、美人だからこそ迫力があって、童顔なあたしとはまるでちがう。
「普通の恋愛ってなあに?」
しかし、りるちゃんがあたしに叱るのもまた、日常茶飯事だ。



