17歳の高校2年生は、恋愛にまつわるおよそすべてに興味津々である。
学校内部のことからアイドルの恋愛事情までそれはもう多岐にわたるものだ。
同じクラスの女子は同じ部活の先輩と付き合い始めた。別の女子は幼なじみと付き合った。同性から憧れをかき集めている同学年の彼はどうやら片思い中らしい。あの先生は、高校から付き合っていた彼女と結婚した。
かくして恋愛歴約10年という、年齢にしてはかなり熟成されたわたしの恋愛は、想い人である雪平灰慈という人のかたちをしているからこそ、一般的な恋愛の彼是は未知の領域。
なので友人の話を聞いて一般的な恋愛というものを学んでいる現状。
変化の兆しが一向に見えないわたしの恋愛は高校生になって少しだけ変わったことがある。
なんと二人とも通学・通勤がバスで、さらに言えば最寄りのバス停が同じなので、毎朝30分は灰慈くんタイムなのだ。
これは決して約束したわけではない。
" ふみが舜珱に合格したら、バス通ってことか。じゃあ、たまに時間が合えば朝は一緒に行けるな "
中三のある日、進路の話をした際、灰慈くんがなにげなくつぶやいた一言はわたしの中で宝物へ変化し、あの瞬間、不明確だった進路まで決定したのだ。
たまに、時間が合えば、灰慈くんと一緒のバスに乗れる!
この約束未満は高校に入学してほぼ毎回守られており、おかげで今朝も灰慈くんタイムは守られた。



