メルティ・エモーション

「……えっ」

出来ないって言わなかった。りるちゃんに任せた。この時点で全部わたしの責任なのに、カバーしてくれる青葉くんのその優しさが不意打ちで。

こういう時、ありがとうでもごめんでも違う気がして、なんと反応すれば良いかわからず考えあぐねていれば

「りっくんかっこよいなあ〜。惚れちゃうよね」

と、まったく会話に不参加だった天くんが、含みのある声で惑わせた。

「軽ーく言うよね、この人たらしは」

「え?俺なんか言ったっけ?」

「青葉が万年片想い拗らせてるお陰で保たれてる平和があるんだよねえ」

「色んな場所でね」

「景気づけに動画撮ろ。2ーA動画、各チームで撮れば再生数稼げるんじゃね」

フォローしてくれた青葉くんに声を掛けようとしたけれど、別の話題が始まってしまった。話は途切れるばかりか弾んで、いつ入ろうかとタイミングを伺う。

「いいよね、可愛い子は弱い子ぶれるから」

どきんと心臓が嫌な音を聞かせた。それは、バスケ部の女子だった。