「そもそも雲雀くんが笹部くんより下っていうの、特別科か普通科かっていう形に囚われた偏見だし……七月の模試で笹部くんが雲雀くんに四〇点差つけられてるとかそういう事実から考えるってことがどうしてできないのかな……もしかして都合の悪いことは見えない病気……専門家に病名をつけてもらったほうがいいんじゃないかな、そうすれば今度は本当に免罪符として目を瞑ってあげられそうだし、目の病気だけに」
「おい三国重症だ、ガリガリくん買ってこい」
午前中に溜まりに溜まった鬱憤をブツブツと呪いのように吐き出していると、ややあって目の前にアイスが差し出された。むむ……としかめっ面のままなんとか「ありがとうございます」だけ口にした。ソーダ味のそれを口の中に入れると、熱い口の中に一瞬で冷たさが広がり、お陰でちょっとだけ冷静になった。
先輩達も競技がひと段落したのか、私が体育座りをしている横に立ったり座ったりでアイスを食べ始める。そのまま「悪い悪い、スカしてる雲雀が面白かったからさー」と笑いながら謝られた。そのまま何人かはすぐに個人競技に駆り出され、私の隣でアイスを食べるのは蛍さんと九十三先輩だけになっていた。
「いやー、ごめんね三国ちゃん、たくさんいじっちゃって。そんなに怒ると思ってなくってねー」
「俺らに色恋ないからな、ついな。悪い悪い」
「私はまだいいというか……いやよくないですけど……雲雀くんに悪いというか……」
「アイツはいじられ待ちじゃない? いやごめん、いじりすぎでした」
じとっ……と睨むと九十三先輩はアイスの棒を咥えたままパッと両手を挙げてお手上げした。蛍さんも食べ終えたアイスの棒を噛みながら「まあ悪かったって、お前がそんなに気にすると思わなかったから」と苦い顔をする。
「笹部に泣かされた事実はなし、雲雀が公開告白した事実もなし、お前らが付き合ってる付き合ってないの事実もなし、つまり雲雀が笹部を殴った事実以外はなにもなし、ってわけだな」
「……雲雀くんが笹部くんを殴った事情はありますけど、事実としてはそれで正しいです」
「ごめんねえ三国ちゃん、俺らで責任もって群青内部ではそういう話しとくからねえ」
「できれば特別科にいる論理的な推論と都合のいい想像をはき違えた頭弱い系の方々にも理解していただきたいですけどね……」
「闇三国ちゃん出てきたままだね? 大丈夫? っていうか三国ちゃん怒ると怖いね」
「そんなに特別科の連中が何言ってんだ? 雲雀と付き合う付き合わねーは雲雀と関係ないヤツらに関係ないだろ」
……言われてみればそういう視点もなくはなかった。一応、雲雀くんは群青のメンバーなわけだし、そうなると先輩達は雲雀くんの直属の先輩ということになるわけだし、ただの野次馬と違って雲雀くんと仲は良い。その意味では雲雀くんをいじることにもそれ相応の理由はあるような……それにしてもやりすぎなような……。いやとにかく、雲雀くんのことをろくに知らない人達にあれやこれや言われる筋合いはないわけだ。
「……まあ関係ないですけど……雲雀くんって特別科の女子に人気あるみたいですし……私なんかと噂になってるの聞いたら色々言いたいんじゃないですかね」
「三国なんかと、つーか三国だからだろ? これが牧落サンとかなら文句言わねーだろ」
それは……胡桃は美少女だから文句がないという話……?
「おい三国重症だ、ガリガリくん買ってこい」
午前中に溜まりに溜まった鬱憤をブツブツと呪いのように吐き出していると、ややあって目の前にアイスが差し出された。むむ……としかめっ面のままなんとか「ありがとうございます」だけ口にした。ソーダ味のそれを口の中に入れると、熱い口の中に一瞬で冷たさが広がり、お陰でちょっとだけ冷静になった。
先輩達も競技がひと段落したのか、私が体育座りをしている横に立ったり座ったりでアイスを食べ始める。そのまま「悪い悪い、スカしてる雲雀が面白かったからさー」と笑いながら謝られた。そのまま何人かはすぐに個人競技に駆り出され、私の隣でアイスを食べるのは蛍さんと九十三先輩だけになっていた。
「いやー、ごめんね三国ちゃん、たくさんいじっちゃって。そんなに怒ると思ってなくってねー」
「俺らに色恋ないからな、ついな。悪い悪い」
「私はまだいいというか……いやよくないですけど……雲雀くんに悪いというか……」
「アイツはいじられ待ちじゃない? いやごめん、いじりすぎでした」
じとっ……と睨むと九十三先輩はアイスの棒を咥えたままパッと両手を挙げてお手上げした。蛍さんも食べ終えたアイスの棒を噛みながら「まあ悪かったって、お前がそんなに気にすると思わなかったから」と苦い顔をする。
「笹部に泣かされた事実はなし、雲雀が公開告白した事実もなし、お前らが付き合ってる付き合ってないの事実もなし、つまり雲雀が笹部を殴った事実以外はなにもなし、ってわけだな」
「……雲雀くんが笹部くんを殴った事情はありますけど、事実としてはそれで正しいです」
「ごめんねえ三国ちゃん、俺らで責任もって群青内部ではそういう話しとくからねえ」
「できれば特別科にいる論理的な推論と都合のいい想像をはき違えた頭弱い系の方々にも理解していただきたいですけどね……」
「闇三国ちゃん出てきたままだね? 大丈夫? っていうか三国ちゃん怒ると怖いね」
「そんなに特別科の連中が何言ってんだ? 雲雀と付き合う付き合わねーは雲雀と関係ないヤツらに関係ないだろ」
……言われてみればそういう視点もなくはなかった。一応、雲雀くんは群青のメンバーなわけだし、そうなると先輩達は雲雀くんの直属の先輩ということになるわけだし、ただの野次馬と違って雲雀くんと仲は良い。その意味では雲雀くんをいじることにもそれ相応の理由はあるような……それにしてもやりすぎなような……。いやとにかく、雲雀くんのことをろくに知らない人達にあれやこれや言われる筋合いはないわけだ。
「……まあ関係ないですけど……雲雀くんって特別科の女子に人気あるみたいですし……私なんかと噂になってるの聞いたら色々言いたいんじゃないですかね」
「三国なんかと、つーか三国だからだろ? これが牧落サンとかなら文句言わねーだろ」
それは……胡桃は美少女だから文句がないという話……?



