追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…啓、花をその名前で呼ぶな」

「え…ダメなんですか?
だって本当の名前でしょう?
花という名前はあくまで仕事の源氏名なのに
若はまだ本当の名前で
呼ばれていないんですか?
しかも想い人でしょう?
呼びたくて堪らないお名前じゃないですか?」

「…だから色々と事情があると言っただろ。
あとでちゃんと説明するから。
いくら啓でも俺より先に
花を本当の名前で呼ぶのは許さない。
…しかも可愛いとか言って口説くな」

「若、嫉妬ですか?
若が動揺して嫉妬されてるのを見るの
初めて見ました。
本当に大切な方なんですね?」

「…分かっているなら口説くな。
間違っても花を好きになるなよ」

「花さんは若の大切な方ですから
恋愛としては好きにはなりませんよ?
ただ、可愛いらしいから優しく接しますけど…もしかしたら花さんの方が
私を好きになるかもしれませんがね…?」