追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

そう思って響さんの顔をじっと見つめていれば


「…ホント、帰る間際に
そんな可愛い事言わないでよ」


響さんはポツリと呟き
私の額や頬に優しくキスをすると


「このまま俺の家に連れて帰りたくなる。
…花をめちゃくちゃに抱きたくなるよ」


耳元でそう甘く囁かれ
思わず顔を真っ赤にさせていれば


「…でも、海斗君から
花を奪う訳にはいかないからね。
今は我慢するよ。
…また1週間後、今度は俺の家においで。
ホテルで待ち合わせしてから行こうか」


響さんはそう言って離れ
手を繋いで私の家の近くまで
また歩みを進め始めた。