追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…え?」

響さんの家って…ヤクザの…?

「…もっと花と一緒にいたいから。
日中だけの…食事を作ったり掃除をしたり…
そういう仕事だよ」

「…家政婦みたいな感じですか?」

「うん、まぁそうだね…。
俺もずっと家にいる訳じゃないんだけど
今よりずっと花と一緒にいれるし
…働いてくれる以上は
お金だって今よりもっと出すから。どう?」

「…」

「花は、今のままが良い?
…そりゃそうだよね。
今の花には、お金はそんなに必要ないし
俺と会う時間も重要じゃないだろうしね…」

響さんは「ごめん。忘れて」と言って
私の身体を離そうとしたが

私は思わず離れようとする響さんの腕を
咄嗟に掴んだ。