追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…じゃあ、頑張って思い出しますね」

「花、そんなに俺に
本当の名前で呼ばれたいの?
俺に抱かれたい?」

響さんはからかうように笑っていたが

「…呼ばれたいです」

私が照れながらそう言えば
響さんはまた顔を赤くして黙り込んだ。

「…響さん?」

「あのさ、花、思い出すまでは抱かないけど
…本当に俺と付き合ってみない?
契約とかじゃなくてさ…お金は今まで通り
ちゃんと渡すから…」

「…でもやっぱりちゃんと思い出して
響さんの事をちゃんと好きになってから
お付き合いさせて頂きたいですし…」

「俺の事まだ好きじゃないの?
そんなに顔赤くしてるのに…」

「…好きとか、よく分からないんです、
それに本当の名前も呼ばれない彼女なんて…
何か嫌ですし…」

「…花って昔から天然な所あるよね。
それで身体売ってたとか…
変な事されなかった?
ホントに心配なんだけど…」

「…オプションに付いてないサービスまで
されそうになった事はありますけど、
そこら辺はちゃんと柔らかく断りましたし…
色んな所は触られても、最後まではシた事ないので、」

「花、ホントそれやめて。
今度他の男に触られた話したら
ソイツ等全員調べて殺しに行くから」