追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…えっと、その、
私をまだ名前で呼ばないのも…
やっぱり私が響さんの事を
ちゃんと思い出してからですか?」


何とか下半身から気を紛らわそうと聞けば


「…そうだね。
本当の名前で呼べば抱きたくなるし…。
それにその時は花にも"響さん"じゃなくて
昔みたいに俺を呼んで貰いたいから」


響さんにそう言われ…

私は昔、響さんの事を
何て呼んでいたのだろうかと思う。

本当に全然思い出せないし
私は響さんの想い人ではないと思ってたけど

海斗の名前だけを言って
すぐに弟だと分かるという事は…

海斗なら響さんの事を知っているのだろうか。