追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…啓さんはずっと姉ちゃんの幸せの為に
動いていたじゃないですか。
自分の気持ちを犠牲にしてまで
俺達の母親が作った借金を柏木組の若頭に肩代わりして貰えるようにして…
それは姉ちゃんの望んだ幸せじゃなかったって事ですか?」


「…あの時の俺はとにかく柚月の生活を守る事だけが大事だった。借金を返して貰って、若と幸せな日々を送って貰う事が柚月の一番の幸せだって疑わなかったけど…まさか記憶が戻って、俺が好きだったなんて言われるとは想定外だったよ」


「…」


「…俺が柚月を好きな気持ちを隠して
若と一緒にさせようとした事が
逆に柚月を苦しめてしまったんだよ。
柚月は優しいからどっちの手を振り払う事も
今出来ないでいるし、若には勿論お金の面で
助けて貰った恩義もあるから
…どこか嫌な記憶が残る柏木組でずっと
働かせる羽目になってさ、
俺は結局、柚月を本当に幸せにさせてやれなかったなってずっと後悔してる」