追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…じゃあどうして俺に、姉ちゃんの心配だけじゃなくて自分の人生を考えてもいいなんて
言うんですか?」

「…」

「啓さんだって、姉ちゃんの為なら
自分の人生を犠牲にしても良いって
思ってますよね?」

「…」

「啓さんに、俺の決めた道を
どうこう言われたくありませんよ」


俺が思わず感情的になれば
啓さんはどこか切なそうに笑いながら


「…海斗君には
俺みたいに柚月の幸せを勝手に決めつけて
行動してほしくないんだよね」


そんな事を言った。