追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「啓さん、どうしてここに
俺と姉ちゃんを連れて来たんですか?」


「ここの方が海斗君も心を開いて話してくれるかなって。柚月も俺らが話してる所が見えた方が安心するでしょ?」


「…でも、姉ちゃん辛くならないですかね。
この公園に来て、
また嫌な記憶が甦ってパニックになったら…」


「…柚月は少しずつだけど過去の事もちゃんと受け入れようとしてるよ。
この公園も俺らにとって良い記憶が残る場所にちゃんと上書きしたいと思ってたし。
これからは過去を振り返らず、幸せな未来に向けて前に進みたいって思ってるよ」


「…」


「…海斗君も、柚月の心配だけじゃなく
もっと自分の人生の事を考えても良いんじゃないかな?」