追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…姉ちゃんを送る途中でしたか?
何か邪魔してすみません」 

海斗の啓君への謝罪に私の方が焦り

「邪魔なんかじゃないよ!
ごめんね、気を遣わせちゃって…」

海斗は私の女の顔なんか
見たくなかっただろうに…

…しかも私から寄り添ってたりして
恥ずかしい。

そう思いながら海斗に近付こうとすれば
ぐいっと後ろから腕を引っ張られ
また啓君の方に引き戻されると


「海斗君、ちょっと話があるから
一緒に来てよ」


啓君は私の肩を抱きながら
海斗に微笑んでおり


「…はい」


私も海斗も啓君のどこか圧のある笑顔に
何も言えないまま大人しく着いて行った。