追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

私はそっと響さんの背中に手を回すと
彼は身体をピクッと反応させて驚いていた。

響さんと私の視線がぶつかり
少し恥ずかしくもなるが…

「…私、響さんの事
本当に優しいと思ってますよ。
それは同情なんかじゃなくて
…心の底からそう思ってます。
だって響さん、私が本当に嫌がる事は
絶対にしないじゃないですか…」

無理やり抱く事だってしないし
頻繁に呼び出す事もしない。

自分の事よりも
私がこの1週間大丈夫だったかを
まずちゃんと聞いてくれたし…

「…正直まだ、
響さんの事は思い出せませんけど、
しっかり思い出したいって思ってます。
響さんの事…ちゃんと知りたいですし
もっと…仲良くなりたいです。
だから…もう少しだけ待ってて貰えませんか」