追憶の愛情~想い出せない貴方へ~



「啓君、携帯ずっと鳴ってるよ、」

「いいよ。どうせ怒られるだけだし」 

「でも…」

「電話出てほしい?
それならまた柚月の甘い声を
若に聞かせるよ?」 

「…啓君の意地悪」

「俺は元々意地悪なの知ってるでしょ?
…それに柚月に関してだけは性欲も強いし。
今日も柚月の下着洗濯してたら
逆上がりのお手本してくれた時に見えた
可愛いパンツを思い出して
…柚月も派手な下着つけるようになったなって思ったらめちゃくちゃ興奮したよ」 

「下着洗濯したの…!?恥ずかしい…」

「エロい下着姿もちゃんと見たいから
今度は俺の手で全部脱がすから」

「…啓君本当にエッチだ」

「…元々エロくて柚月を抱く時を想定してたから若に散々言われてもタトゥー入れなかったんだから。本当に入れなくて良かった」

「…」


啓君がそこまでして私を待っててくれたのは
凄く嬉しいけど…

そんなに想ってくれてたのなら
最初から素直になれば良かったのに、
なんて思う気持ちもあるけど


「俺もこれからは柚月を絶対に離さないよ。
ずっと幸せにするから」


啓君はずっと私の幸せを考えてくれて
色々遠回りしてしまったんだなと思うと

そんな啓君が愛しくて
入れるはずだったタトゥーの入ってない
背中に優しく手を回し、


「…私も、啓君から離れないよ。大好き」


愛の言葉を囁けば
啓君も優しく抱き締めてくれ

その日は日がまたがるまでずっと傍にいて
幸せなひとときを過ごした。


SS 啓君の背中 終