追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

啓君は傍に置いてあった携帯を取ると

「…噂をすれば若だ」
 
苦笑いしながら電話を取ったため
私が離れようとすれば 

なぜか啓君はまた私を抱き締めてきて…

「すみません。早退してしまって」

啓君は響さんと話しをしながら
私をじっと見つめてきた。

私は声を出さないように
ドキドキしながら啓君を見つめていれば

「はい。今、家です。
いえ…体調が悪い訳ではないです。
心配して頂きありがとうございます」

響さんは啓君が体調悪くて
家にいると思っているんだ。

何だか悪いな…と思っていれば

啓君は急に私の腰を撫でてきて
「あっ…」
と声を漏らしてしまった。