追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「柚月は何時に帰る?」

「車の中で海斗には啓君といるって連絡したから、そんなに遅くならなければ大丈夫だよ」

「じゃあ日付がまたがらない内には
帰すから」

…啓君、明日も朝早いのに大丈夫なのかな。

「啓君、疲れてない?寝てもいいよ」

私がそう言えば

「柚月を抱き締めたまま
熟睡出来たから大丈夫だよ。
そんなに長く寝る方じゃないし
こんなに深く眠れたのも久しぶりだった。
…柚月と寝ると安心する」

啓君は優しい声でそう口にしたけど…

「そっか…響さんと似てるね」

私が思わずそう言って笑えば
啓君は私の抱き締める腕を弱め

私の顔を不機嫌そうに見てきた。