追憶の愛情~想い出せない貴方へ~



私が部屋の扉を開けば
啓君はベッド脇に座っていた。

…でもまた背を向けており
啓君は上半身裸だから背中全体がよく見える。

…やっぱりタトゥーが入ってない。
啓君は柏木組では重要な位置にいるのに
入れないのかな。

…涼さんでさえも
Tシャツの隙間から見えた腕に
タトゥーが入っているのが見えたのに…。

あれだけ柏木組に恩義を感じている啓君なら
すぐに入れそうだけど何でだろうか。

「柚月、どうしたの?早く来てよ」

すると啓君は突然振り返り私を見ると

「そんなに俺の背中を見つめてどうしたの?
…緊張でもしてる?」

啓君は昔のような笑みで
からかうような口調で言われた。