追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…そっか。私もまだ小さい時は
お父さんとお母さんは仲良しだったから…
いつの間にかお互いに
環境が複雑になっちゃったんだね。
…啓君と私はやっぱり似てるよ」

私がそう言うと

「…柚月、こっち来て」

啓君はそう言って私の手を握ると
ベッドの方に促されドキッとした。

啓君はベッドの脇に座り、
私も遠慮しながらも隣に座れば

啓君は私の頭の後ろと背中に手を回すと
そのまま抱き締めてきた。

私の鼓動が早くなっていくのが分かる。

「…柚月がいなくなってから
俺本当に寂しかったよ。
柚月が出会った時から好きだったし
何より大切だったから…。
柚月がいなくなってからはずっと
生きてる心地がしなかったよ」

「…うん」

「…それに父さんまで亡くなって
親戚に少し援助して貰いながら
何とか中学は卒業出来たけど
そこから親戚とも疎遠になってな。
…そしたら若が柏木組に入らないかって
言ってくれて、ずっとそこから世話になってるから若の為だけに尽くさないとって思ってたけど、柚月の事がどうしても忘れられなくてな」

「…」

「…若には凄く悪いと思ってる。
若に譲ろうとしたけど…やっぱり柚月を目の前にしたら感情のセーブが効かなかった。
…また柚月とこうして会えて、しかも彼女になってくれて今自分の手で抱き締められてるってだけで凄く幸せだよ」

「…私も、幸せだよ」

私が啓君の背中に手を回せば