追憶の愛情~想い出せない貴方へ~



啓君の家の中に入ると
物は少なく綺麗に片付けられていた。

私がキョロキョロ見渡していれば

「…何か懐かしい物でもあった?」

啓君は少し恥ずかしそうに聞いてきた。

「あ…ううん。綺麗に片付いてるなって。
昔はもう少し物が多かったような気がして」

私が笑えば

「…柚月、それは覚えてるんだね」

啓君は驚いて目を見開いた後

「…父さんが亡くなってから
色々片付けたからな」

静かにそう呟いた。