追憶の愛情~想い出せない貴方へ~



啓君の実家に着き
まだ外観だけだけど懐かしく思い

あの時と変わらないマンション
に住んでいるんだと思ってぼーっと見ていれば

「柚月は俺の事思い出してからも
俺の実家までは見た事は無かったんだ?
近所なのに」

啓君はそんな私を見て微笑んでいた。

「うん。記憶は戻っても
あの時は啓君とはどこか気まずかったから…
1人で来ても泣きそうになるかなって思ったら
近くにも来れなくて…」

私が少し切なくなりながらそう言えば

「…そうだな。俺が突き放したから…
余計に柚月を傷付けて本当にごめん」

啓君はどこか苦しそうに謝ってきた為

「あ、いいの!啓君も色々苦しかったのは
もう分かってるから、もう平気だよ!」

私は慌てて笑って見せた。

…啓君にまで嫌な事を思い出させて
申し訳ない。

「…柚月、中に入ろうか」

啓君はそう言って私の手を握ると
マンションの中に入った。