追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

啓君は一台の車の前に向かうと
鍵を開けた。

「…この車、啓君の?」

「そうだよ。まぁ…ここに寝泊まりする事が
多いし、遊びに行く事もないから乗る事は少ないけどな」 

少し笑って言いながら
私を助手席に促すと啓君も運転席に座った。

私が啓君の方を見れば啓君も私を見ていて…
凄くドキドキしていれば

ゆっくりと啓君の顔が近付いてきて
頭の後ろに手を回されると唇が重なった。

「…ん、」

私が声を漏らせば
そのまますぐに離された唇。

「…柚月さ、あんま可愛い事言わないで」

「え…?」

「涼の前であんな可愛い事言われたら…
本当に自制効かなくなるから」


"一緒にいたい"とか"寂しい"とか言った事…?
それって可愛い言葉なのかな…。

でも…啓君に可愛いと言われて嬉しい。

「柚月はどこか行きたい場所ある?」

啓君にふとそう聞かれ少し考えたが
私はある場所を思い付いた。