追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…あ、俺の事はお気になさらず」

私も振り返って見れば涼さんは
少し照れた様子でチラチラ私達を見ていた。

「…気にするなと言っても気になるだろ」

啓君はため息を吐くと

「そろそろ若も帰ってくるだろうし
柚月といる所を見られたらまた不機嫌になられるからな…じゃあ柚月、気を付けて帰れよ」

そう言って私の手を少し握ってくれた。

「…うん」

私も握り返せば

「…」

啓君に顔をじっと見つめられ
中々離されない手にドキドキしてしまう。

お互いに黙って手を握り合っていれば


「いやー、甘いですね、啓さん…」


と、涼さんが恥ずかしそうに言ってきた。