追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「花はこの1週間変わった事は無かった?」

ふいに響さんにそう聞かれ
ふと思ったのは海斗の事だった。

こんな事を響さんに
相談しても良いのか迷ったけど

「…少しだけ、困った事があって、」

私がそう言えば

「…何?花を困らせる奴がいるの?」

響さんは凄く怖い表情をした為

「いえ、あの…海斗の事で、」

私が弟と言わず
思わず海斗の名前を出してしまい

「あっ、海斗はその…」

弟だと言い直そうとすれば

「あぁ…海斗君ね。弟君がどうしたの?」

響さんは特に不信感も持たず
それどころかなぜか弟の名前が
海斗だと知っていた。

…私、響さんに
海斗の名前教えた事ないよね?

何で…知っているのだろうか?