追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…啓、ノックくらいしろ。
お前いつからそんな非常識になったんだ」

響さんはそう言って
また私を抱き締めてきたが

「…すみません、でも、」

啓君は響さんに静かに謝りながらも
私達の方に近付くと

「…ノックする時間も惜しいくらい
柚月と早く会いたかったものですから」

啓君の口からそんな甘い言葉を言われ
私が顔を赤くしていれば

「柚月、こっち来て」

啓君はそう言って私の腕を掴むと
私を響さんから離して
正面から抱き締めてきた。