追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…響さん、私もうここでは働けません。
…もう昔みたいに
3人で無邪気には笑い合えませんし」

私はここを去って
新しい仕事を見つけようかと思っていれば

「ゆづ、それは許さないよ」

響さんは私がここを去る事には
反対なようで…


「ゆづ、忘れてないよね?
俺、ゆづの借金を全部返してあげたんだよ?」


響さんに、にっこり笑ってそう言われた。

「あ…それは、その、
…一生掛けてでも返しますから」

…3千万。途方もない金額だけど…
響さんにちゃんと返さないと。
そう思っていると

「ゆづ、そういう問題じゃないよ。
返さなくても良いから俺の傍から離れないで。俺は柚月の事を完全に諦めた訳じゃないし
…ゆづは昔みたいに笑い合えないとか言ってるけど、笑ってたの多分ゆづだけだよ?」

響さんが何を言っているのか
分からずきょとんとしていれば

「小学生の時、俺とゆづが仲良くしてる度に
啓は笑いながらも複雑そうにしてたのは分かってたし?俺も啓とゆづが仲良く話してるの見たらめちゃくちゃ嫌だったし…。
ゆづは俺とも啓とも平等に話し掛けてくれたけど…俺と啓はゆづの気持ちを何とか自分の方に向ける事に必死で…きっと心から笑えてなかったよ」


響さんは懐かしそうに言って笑っていた。