追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…響さん、ごめんね。
私…啓君の事が好きだから出来ない」

…1回くらいなら。
一瞬気持ちが揺らいでしまったけど

私は啓君を選んだんだから。

記憶を完全に取り戻した時
私があの時ずっと想っていたのは
啓君だったし…

今も啓君に触れられるのが1番ドキドキして
安心してしまうから。

…もう響さんの心を揺らがせる事はしない。

私が響さんの目を真っ直ぐ見ていれば

「…ゆづの方こそずっと素直で可愛いよ。
ホント…何であんな素直じゃない男の方を
選ぶかな。啓が本当に羨ましいよ」

響さんはどこか諦めたようにそう言うと
ソファの上で密着するように
隣に座っていた私から、少し距離を取った。