響さんと初めて出会った瞬間から
私の記憶を取り戻す為の日常が始まった。
響さんは私が距離を取ろうとすれば
"妊娠させる"とか"監禁する"とか
色々と傲慢な態度も取ってきて
最初はずっと怯えていたけど
…今思えばそれは
響さんなりの強引な優しさだったのだと思う。
響さんはきっと
私を好きなだけじゃなくて
啓君の複雑な思いも
ちゃんと分かっていたのかもしれない。
全ての記憶を取り戻して欲しかったから
ホテルで会うのを辞めて
わざわざヤクザの実家にまで連れてきて
啓君とも再会させてくれたのだと思う。
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