追憶の愛情~想い出せない貴方へ~



響さんの部屋に着き
私をソファに促すと響さんは隣に座り

「…ゆづ、ヤツに何もされなかったか?」

凄く心配そうに聞かれた。

「…少しだけ、首にキスをされて
頬を叩かれたよ」

私が静かにそう答えると

「…ヤツには過去にも傷付けられたんだろ。
それで俺達の記憶を失うまで苦しい思いをしてなんて、気付いてやれなくてごめんな。
…俺達の事なんか思い出さない方が
幸せだったのかもしれないのに。
何も知らなくて本当にごめん」

響さんは私を抱き締めながら
辛そうに謝っていた。