追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

そんな響さんの言葉に啓君は
少し考えるように間を置いた後

「…若に、怒る事は
今後も絶対に出来ません。
若にはずっと感謝していますので…」

啓君の言葉に響さんは
「お前な、」と呆れていたが


「…でも、
柚月は俺の女である事は確かですので
あまり2人きりにはさせたくありません。
…どうか手出しだけはしないで下さい。
私の心が…嫉妬で乱れてしまい
若に怒れず、柚月の方に感情任せに
嫌がる行為をしてしまいそうになりますので」


啓君の少し恥ずかしそうに言った
男らしい言葉に私は顔を赤くした。


「…啓も少しは素直になったんだな。
まぁでも…まだまだ俺のゆづに対する愛情には及ばないかもしれないがな」

響さんはそう言うと
啓君と私の握られていた手を引き剥がすと


「ゆづに手出しはしない。
ゆづが啓の事が好きな以上は嫌がる事なんか
俺は出来ないからな」

響さんはどこか切なそうに私を見た。