追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…アイツの言う事なんか
何も気にすんなよ。
柚月はあの母親とは全然違うだろ…。
柚月の事は若と俺が
勝手に好きになっただけなんだから...」 

啓君は私にそう言ってくれるけど

「…そうだとしても
私が煮え切らない態度を取って
皆傷付けてきたから。
啓君も響さんも…それに海斗だってね。
ちゃんと自分の今の素直な言葉を伝える。
だから、私も啓君と今から一緒に行くよ」

私はそう言って啓君の手を握り返せば

「…柚月は強くなったな」

啓君は優しく微笑むと私の額にキスをし

「…着くまで寝てて良いからな」

そう言って啓君は後部座席から
運転席に座ると、車を発進させた。