追憶の愛情~想い出せない貴方へ~



啓君は触れるだけのキスをした後
後部座席で2人横に座りながら

しばらくの間
私をずっと抱き締めながら頭を撫でていた。

「…啓君は素直になったら
ずっと触れてくれるんだね?
今までずっと突き放してばっかだったのに
…私の事そんなに好きなの?」

昔からいつもからかっていた啓君に
仕返しをするように私が笑えば

「…柚月が思ってる以上に
俺は柚月の事を今も昔もずっと愛してるよ。
ずっとこうして触れたかった」

啓君は本当に素直に愛の言葉を言うと
私の唇にまたキスをしようとした為

「け、啓君、そろそろ行かないとダメだよ。
…ちゃんと組に戻って話をしないと」

私は触れてくれて嬉しいとは思いながらも
現実とそろそろ向き合わなければ…
そう思い啓君の胸を押した。