追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

…震えながら強く抱き締める
啓君の背中に私は静かに手を回し

「…私ね、啓君と響さんの傍から
また離れようかなって思ってたの。
…海斗も私が犯された柏木組のタトゥーの事は覚えててずっと良く思ってないし、
私も海斗に嘘を吐いて身体売って
働いてたりしてたから…もう2人は関わらない方がいいのかなって」

そう口にすれば啓君は

「いやだ」

そう静かに言って
私を痛いくらいに抱き締めると

「…もう俺の傍から勝手に離れていくなよ。
柚月がいない世界なんて、
俺はもう考えられないんだよ」

絶対離さないと言った様子で
そんな事を言ってきた。