追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…そんな、3000万だろ?
何の見返りもなく、
代わりに支払ってくれる奴なんかいないだろ」

「…」

「姉ちゃん、まさかその付き合ってる奴に
借金返された代わりに
何か脅されてるとかじゃ、」

「違う。本当に優しい人だから」

私はとりあえずそこはしっかりと否定した。

…本当は
脅されたようなものなのかもしれない。

言う事を聞かないと妊娠させてまで
私を逃がさないと言った響さん。

どうしてそこまで私に執着するのかも
私がなぜ彼を覚えていないのかも
まだ全然分からないけど…

借金を返してくれたし
現在響さんから危害を加えられてもいないし、
むしろ生活費まで余分にくれている状態だ。

…今の所、
私は響さんの事は優しいと思ってはいるけど

分からない事があまりに多すぎる…。