追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…もう借金はないよ。
この前、全部返したから」

「…は?」

海斗は訳が分からないと言った表情をした。

「…姉ちゃん、
3000万借金が残ってるって
3ヶ月前くらいに言ってたよな?
そんなすぐ返せる訳ないだろ…」

…確かに響さんと出会う前に
海斗に借金の金額を聞かれ
それは正直に話したのだけど…。

私は黙って立ち上がると
タンスの引き出しの中から
借金の返済書を取り出し海斗に見せた。

「…これ、何だよ。
どうやって返したんだよ…」

海斗は凄く戸惑っている。