追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「えっ!?だって海斗この前の面談で
先生に高校進学するって言ってたよね!?」

海斗は勉強も出来るし
空手も出来てスポーツ推薦だって狙える。

先生も海斗に凄く期待しているようだったし
何より海斗には
私と同じ道は辿って欲しくない。

友達も多くてこれからもっと
楽しい人生が待ってるはずなのに
家庭環境のせいで自分の行きたい道を塞がれるなんて…海斗にはそんな思いはさせたくない。

「…先生の前ではああ言うしかなかった。
本当はずっと前から決めてたし。
ギリギリになって本格的に進路を決めないと
いけない時にちゃんと言うから。
それに俺は…姉ちゃんの為に働きたい。
もっと姉ちゃんと幸せになりたいから…」

海斗に優しい顔で言われれば
私も思わず感情的になる。