追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「…ホテルの清掃の仕事だよ。
結構お給料も良いから」

私はまた海斗に嘘を吐いた。

本当は嘘なんか吐きたくないけど…
男の人とホテルで会ってお金を貰ってるなんて
言えるはずもない。

そんなお金で生活してるのか…と
優しい海斗に気を遣わせたくはない。

「そっか。良い仕事が見つかって良かった…」

海斗は安心した表情で笑ってくれ、
私もそんな海斗を見てホッとしていたが

「でも、やっぱり俺…中学出たら働くよ。
姉ちゃんにばっか
これ以上負担掛けたくないから」

海斗が突然そんな事を言い出し
私は動揺した。