追憶の愛情~想い出せない貴方へ~

「海斗、」

私は海斗の名前を呼び
"高校には行って欲しい"そう言おうとしたが

…そんな事は今の私には言えなかった。


「…姉ちゃんを傷付けたヤクザの金で
高校なんか行けるかよ。
姉ちゃんは俺を傷付けたくなくて
ずっと嘘を吐いて身体を売る仕事もしてたのかもしれないけど…そんな事後から知らされて、そんなに無理させてたのかって知った今の方が…俺ずっと辛いよ」


海斗はそう言うと学校へ行った。